シャーロック・ホームズシリーズの読む順番おすすめ①

シャーロックホームズおすすめ①

シャーロック・ホームズを読んでみたいけど、どこから読んだらいいかわからない方、また前に読んだことがあるけれど次にどの本を読むか迷っている方のためのページです。

まずおすすめ①として、オーソドックスに出版順に辿っていくパターンをご紹介します。

目次

シャーロック・ホームズシリーズについての簡単なまとめ

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著者名サー・アーサー・コナン・ドイル
著者について1859年(江戸時代末期)~1930(昭和5)年に生きた人物。
イギリス人/小説家/医師/政治活動家
いつ頃書の作品?1887(明治20)年~1927(昭和2)年
ジャンル推理小説
作品数長編4/短編56

シャーロック・ホームズとは

架空の男性キャラクター。
イギリスのロンドン在住で、世界初で唯一の民間諮問探偵(consulting detective)。
主な住所はベーカー街221B

ジョン・H・ワトスンとは

軍医でホームズとルームシェアしている友人(不在の期間あり)。
ホームズの事件の相棒的存在であり、小説の殆どはワトスンが「事件の記録を書いたもの」という設定で書かれている。

ほしにゃー

著者コナン・ドイルは、本当は歴史小説を書きたかった(というか書いた)のですが、ホームズシリーズが最も成功した小説となりました。

ほしにゃーも試しにコナン・ドイルの歴史小説を読んでみたことがあります。
感想ですか?うん……そうね……(目をそらす)

どの出版社を選べばいいのか?

シャーロック・ホームズシリーズは人気が高く、多くの出版社から違う翻訳者の手による翻訳書が出ています。
独断と偏見で4つの出版社に絞ってご紹介します。

ほしにゃー

各社の雰囲気がわかるように『緋色の研究』を載せています。

新潮社/延原謙(のぶはらけん)訳

  • 延原謙は1892年生まれ。早稲田大学理工学部卒。
  • 著者コナン・ドイルとほぼ同年代であり、やや古めかしいがホームズシリーズ当時の空気を感じることができる翻訳。
  • 昔からの読者には『ホームズと言えば延原健が王道』というイメージが強い。
  • ホームズものの他にアガサ・クリスティの小説も翻訳している。

光文社/日暮雅通(ひぐらしまさみち)訳

  • 日暮雅通は1954年生まれ・青山学院大学理工学部物理学科卒
  • ホームズ物の他にSFやIT関係などの翻訳も手掛ける。
  • 自然な日本語訳文と、現代人にはわかりにくい部分についての注釈が多く理解しやすい

創元推理文庫/深町眞理子(ふかまちまりこ)訳

  • 深町眞理子は1931年生まれの翻訳家。東京都立忍岡高等学校卒。
  • 英国・アメリカのSFやミステリーの翻訳(アガサ・クリスティ/スティーブン・キングなど)を多数手がけている。
  • こなれた翻訳力で、現代人に読み易い日本語訳文

角川文庫/駒月雅子(こまつきまさこ)訳・石田文子訳

  • 駒月雅子は1962年生まれ、慶応義塾大学文学部卒。
  • ホームズ物としては聖典(原作)の他にパスティーシュ(パロディ小説)の翻訳も多く手掛けている。
  • 柔らかい文章で、ストレスなく読めるので若い方に特におすすめ。

出版順に読んでいくメリット

シャーロック・ホームズシリーズの作品は、発表順に物語の時系列が進んでいくスタイルではありません(要は時系列的に行ったり来たりしている)。
ですが時折、物語の中で『前にもこういうのあったよね』という振り返り部分があるので、出版順に読んでいる読者はすぐ合点がいくという利点があります。

また著者コナン・ドイルは、シリーズ執筆中『もうホームズ辞める(泣)』と3度決意します。
しかしあまりのホームズ人気に、書かざるを得ない状況となって2度は舞い戻ってくるのです。

ほしにゃー

終わる→戻る→終わる→戻る→終了という変遷も楽しめるのが、出版順読者です。

あとほしにゃー的には、第1作目『緋色の研究』でホームズとワトスンの出会いが書かれているので最初に読んだ方がいい気もします。

出版順に読んでいくデメリット

1作目『緋色の研究』2作目『四つの署名』は、出版当時実は不人気というかあまり話題になりませんでした
ホームズシリーズ人気に火が付いたのは3作目『シャーロック・ホームズの冒険』です。

確かに短編集の方がテンポよく事件勃発→解決のカタルシスを得られますし、なんと言っても早く読めますものね。
個人的に1・2作目が面白くないとは思いませんが、初めて読む方には短編集が入りやすいのかもしれません。

ほしにゃー

では、それぞれどういう作品か、簡単にご説明します!

1 緋色の研究【長編】

先ほども書きましたが、ホームズとワトスンが出会う経緯が書かれています。
またシリーズ冒頭ということもあり、ホームズとワトスン二人の丁寧なキャラクター紹介もあります。

血痕が発見現場にあるのに外傷がない死体・謎のダイイングメッセージや、裏に隠された過去など事件そのものも魅力的な作品になっています。

2 四つの署名【長編】

メアリー・モースタン嬢は父の死後、匿名の人物から年に一度大粒の真珠を送られていました。
ところが真珠の送り主が会いたいと言ってきたため、ベーカー街221Bを訪れることになります。

『感情など推理の妨げになる派』のホームズと、すとーんと恋に落ちたワトスンの冒険譚が始まります。

3シャーロック・ホームズの冒険【短編集】

女性嫌いのホームズが敬意をこめて『あの女(ひと)』と呼ぶことになるオンリーワンの女性、アイリーン・アドラーが登場する『ボヘミアの醜聞』など、ホームズシリーズの面白さ詰め合わせの短編集です。

4シャーロック・ホームズの回想(思い出)【短編集】

ホームズの兄マイクロフト・ホームズが依頼人の『ギリシャ語通訳』や、ホームズ最大の敵モリアーティが登場する『最後の事件』他、多彩な事件がてんこ盛りです。
著者コナン・ドイル的にはこれでシリーズを終わりたかった第1回目です。

5バスカヴィル家の犬【長編】

実際に存在する不思議な伝説を基にした、オカルト的な雰囲気を持つ長編作品です。
ホームズは途中登場せず、ワトスンの孤軍奮闘ぶりが面白い。

前作『シャーロック・ホームズの回想(思い出)』から8年ぶりに発表されたものですが、時系列的には『シャーロック・ホームズの回想』後ではありません。

6シャーロック・ホームズの帰還(生還)【短編集】

『シャーロック・ホームズの回想(思い出)』の最後の作品『最後の事件』のその後が描かれた『空き家の冒険』から始まります。

ほしにゃー

再会したホムワト(ホームズとワトスン)の仲の良さが微笑ましいw

可愛らしい暗号文が出てくる『踊る人形』や国家レベルの犯罪を解く『第二のしみ(第二の汚点)』他、相変わらずの二人が活躍するこの短編集もおすすめです。

7恐怖の谷【長編】

「密室の王者」と呼ばれる推理小説家ディクスン・カーもイチオシの長編作品です。
4つある長編の最後を飾る『恐怖の谷』は、他の長編と同じく事件とその背景の2部仕立て

1部はもちろん、2部だけでも面白い冒険活劇が待っています。

8シャーロック・ホームズ最後の挨拶【短編集】

著者コナン・ドイル的にはこれでシリーズを終わりたかった第2回目です。
ホームズの兄マイクロフトが持ち込んだ、国家の存亡にかかわる事件『ブルース・パーティントン設計書』 やアメリカのピンカートン探偵社も絡んでくる『赤い輪』など。

ラスト作品は第1次世界大戦の匂いが濃い『最後の挨拶』ですが、シリーズ最終作品にふさわしい……と思っていたのに次作が出ちゃうんですよね(笑

9シャーロック・ホームズの事件簿【短編集】

本当の本当にシリーズ最後の短編集です。
ホームズのツンデレ疑惑あり、読者の首をひねらせる迷作あり。

10シャーロック・ホームズの叡智※新潮社のみ※【短編集】

こちらの短編集は新潮社のみの短編集で、内容的にはシャーロック・ホームズの

  • 『冒険』から二作品
  • 『回想(思い出)』から一作品
  • 『帰還』から三作品
  • 『事件簿』から二作品

を抜き出して編集したものになります。

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