ローマ皇帝ネロの師として有名なセネカの著作『人生の短さについて』他2編をご紹介します。
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目次
『人生の短さについて』の基本情報
著者 | ルキウス・アンナエウス・セネカ(小セネカ) |
成立年 | 西暦49年(人生の短さについて)/ 西暦60年頃(心の平安について) |
ジャンル | 文学・哲学 |
ページ数 | 227頁(kindle) |
ほしにゃー
『母ヘルウィアへのなぐさめ』は41年~49年の間に書かれています。
セネカとは
- 紀元前1年頃生まれ、紀元後65年没のストア派哲学者、劇作家、政治家
- ローマ帝国第5代皇帝ネロの師として活躍したが、後に謀反の嫌疑をかけられ死を賜る
- 代表作に『アガメムノン』『オイディプス』などの9つのギリシャ悲劇、『道徳書簡』他
『自省録』で有名なマルクス・アウレリウスは”セネカの再来”と言われたユニウス・ルティクスを生涯の師としています。
自省録/マルクス・アウレーリウス・アントニヌス
第16代ローマ帝国皇帝にして哲学者、マルクス・アウレーリウス(アウレリウス)・アントニヌスの有名な著書『自省録』をご紹介します。 「自省録」は珠玉の名言の宝石箱…
『人生の短さについて』の概要・あらすじ
『人生の短さについて』De Brevitate Vitae
- セネカの妻パウリナの縁者(父とも)パウリヌスへの手紙形式
- 要職に就き、多忙を極めていたパウリヌスに引退して自分のための人生を送ることを勧めている
- 自分の人生を時間の浪費や他人に支配れない生き方の提示
毎日を人生最後の日のように生きる人は、明日を待ち望むことも、明日を恐れることもない
セネカ著『人生の短さについて』
『 母ヘルウィアへのなぐさめ 』Ad Helviam Matrem De Consolatione
- ローマ帝国第4代皇帝アウグストゥス統治下、政争に巻き込まれてコルシカ島へ流罪となったセネカが母へ送った書簡
- 徳があれば、住む場所や貧困などの外的要因はそれほど幸福に影響しない、というストア派哲学に基づいた慰めと励まし
自分自身に軽蔑されるようなことをしなければ、だれも、他人に軽蔑されることはないのです
セネカ著『母ヘルウィアへのなぐさめ』より
- 母ヘルウィアへの敬愛と親愛の情と共に、理性の力で現状を正しく把握し乗り越えていくことを勧めている
コルシカ島への流刑は8年にも及んだので、お母さんはご心痛だったでしょうね……
『心の安定について』De Tranquillitate Animi
- コルシカ島から呼び戻されたセネカが、ネロ帝の時代に書いた書簡
- 親友セレネスが自分の悩みをセネカに打ち明ける手紙から始まる
- 心の安定が大切であり、どのように心の安定を得るかを具体的にアドバイスしている
- 仕事においては、自分自身を探って正しい評価を与え適職に就くべき
- 友の選び方などへの考え方
現代の私たちにも当てはまるアドバイスがたくさんあります。
ほしにゃー’s レビュー
人はいつか必ず終わりの日が来るのに、そのことを意識して生きているだろうか。
と問われると、日々の暮らしの在り方に襟を正さずにはいられませんよね。
セネカは「人生は量より質」という考え方であり、その考えを実行したところが哲人であり賢人たる所以(ゆえん)なのでしょうが、凡人だってその精神は見習いたい……ものです。
自分の人生を生きているようで、実は他人の考えに支配されていたり他人のために無為な時間を費やしていたりしていないか。古代ローマも令和の現代も、問題の本質は変わりがない。
なにも他人など気にせず利己主義に生きろというのではなく、なんとなく流されて生きていないか点検する必要があると教えられました。