自省録/マルクス・アウレーリウス・アントニヌス

自省録

第16代ローマ帝国皇帝にして哲学者、マルクス・アウレーリウス(アウレリウス)・アントニヌスの有名な著書『自省録』をご紹介します。

ほしにゃー

「自省録」は珠玉の名言の宝石箱やぁ、いや宝庫です。

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目次

『自省録』の基本情報

著者マルクス・アウレーリウス・アントニヌス
ジャンル哲学・忘備録
成立年2世紀後半頃
ページ数890頁(kindle)

マルクス・アウレーリウス・アントニヌスとは

  • 121年生まれ、180年没(在位161~180年)
  • 五賢帝のうち最後の一人。(あとの4人はネルウァ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌス)
  • ストア派の哲学者
  • 中国の後漢書にある「大秦王安敦(あんとん)」はマルクス・アウレーリウス・アントニヌスのことを指すと思われている
ほしにゃー

映画『グラディエーター』ではハリポタのダンブルドア役で有名なリチャード・ハリスが演じてましたね

ストア派とは

ストイックという言葉はストア派が語源になっています。
日本語では禁欲的で節制ができている人のイメージが強いですが、ストア派が説く「ストイック」は我慢するという意味ではなく理性に従って情動から解放されることを意味しています。

ほしにゃー

英語のstoicは「感情を表さない・文句を言わない」という意味です。

  • 創始者は古代ギリシャのゼノン
  • ローマ第5代皇帝ネロの師であるルキウス・アンナエウス・セネカもストア派
  • アパテイア(無情念)に達することを理想としている
  • 人間の内なる理性(自然)を重んじ、道徳的・善を追求することを薦める

『自省録』の概要

『自省録』は自分用のメモ

『自省録』は書籍にするつもりも、他人に見せるつもりもなかった自分用のメモです。
第12巻までありますが、編纂する便宜上分けられたもので各巻が続いているわけではありません。

現代人が学ぶ部分も多い

皇帝であり哲学者が書いた著作ではありますが、現代を生きる私たちが参考にできる部分も多い作品です。
第一巻は家族や家庭教師などから学んだこと・賛辞となっていますが、第二巻以降は哲学的思索が順不同で繰り返されています。

ほしにゃーが個人的に心に残った部分を箇条書きすると

  • 悪人も自分と同じ全体の一部であり、人間は互いに助け合うようにできている
  • 一生は短いので無駄なことは極力せず自分を大切にし、自分の幸福を他人の評価に置かないこと
  • 他人に不必要に振り回されるな
  • あまり多くのことに心を煩わされないように、シンプルに、自由かつ善であれ
  • 本当に価値があるものは他人にどう評されようと本質は損なわれない
  • 不幸や苦しみはそのもの自体ではなく自分の判断に依っている
  • 他人にした善いことに見返りを求めるな
  • 誰かに復讐したければ、相手がした悪事を自分がしないことだ
  • 現在自分が持っているものを大切に

など。読んでいると宮沢賢治の「雨ニモマケズ」が浮かんできました。

ほしにゃー

仏教に通じる部分もありますね

朝なかなか起きられない時にはこうするといい、のような箇所も何回かあって「皇帝も朝起きはつらかったのか……」と親近感が湧きます。

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