ホリエモンこと堀江貴文さん原作の漫画です。
お名前と経歴は何となく知っていたんですが、日本の刑務所ってどんな暮らしなんだろう……と興味があったので読んでみました。
『刑務所いたけど何か質問ある?マンガ『刑務所なう。&わず。』完全版の基本情報
・堀江貴文(ほりえたかふみ)は福岡県出身1972年生まれ
・久留米附設中学・高校を経て東大文学部中退、実業家他多くの肩書を持つ
・堀江貴文原作/西アズナブル画
・出版元 文藝春秋(156ページ)電子書籍のみ(2014年発行)
・漫画と堀江本人の手記からなる『刑務所なう。』『刑務所なう。シーズン2』『刑務所わず。』の漫画部分のみをまとめて編集しなおしたもの
・証券取引法違反容疑で収監(2011年~2013年)された時の体験談が描かれている
ほしにゃー’s レビュー
元ライブドアの人で、球団とかテレビ会社とか買収しようとした「時代の寵児」というのがほしにゃーのイメージ。
大学生の時に会社を立ち上げて上場企業へ!というサクセスストーリーの流れは今も受け継がれていますよね。
尖った発言が良くも悪くも炎上しているので、ネットニュースでよくお見かけします。
「刑務所いたけど何か質問ある?」というタイトル、Reddit(レディット)のAMAみたいだなと思ったのは私だけではあるまい。
Reddit・・ソーシャルブックマークサイトであり、海外版2ちゃんねる(現5ちゃんねる)のような使い方もされている。
AMA・・”I Am A”または”Ask Me Anything”の略。Redditの中にある有名なサブレディット。日本語では「私は〇〇だけど、何か質問ある?」と訳されることが多い。元大統領や女優・俳優、特殊な経験をした人などの著名人本人が降臨することで知られる。
AMAと違って読者からの質問に答える形式ではないのですが、収監中の忌憚のない体験記という意味でしょうか?
久留米附設(福岡ではエリートコースですよ)から東大へ入学した堀江さんの獄中記、とても人間味を感じました。
どこに行っても、大切なのは人間関係
「刑務所いたけど何か質問ある?」を読んでまず思ったのは、どこに行っても人間関係が円滑であればなんとかやっていけるんだなということ。特に刑務所のように、物理的にその場から離れられない状況だと顕著ですよね。
相性の悪い人たちと接するのも「もう二度と刑務所に入りたくない」と思わせるには良いのかも知れませんが。
適応と向上心
入監する前はITを駆使し、最先端のモノや優秀なヒトたちに囲まれていたであろうホリエモン。
そんな人が最新の情報から隔絶され、日常生活に必要なものも簡単には買えない場所に居続けるのは、かなりの精神的苦痛だったであろうと推察します。
作中でも、刑務所での生活に馴染む苦労が窺われます。
「社会から取り残される孤独感」が一番キツかったんじゃなかな……
そんな中でも小さな幸せを見つけようとしたり、次のステップへの勉強をしたりとする向上心は見習うべきだなと。
刑務所での体験を、こうやって漫画にして出版しているのも商魂逞しくて「転んでもただは起きぬ」ですよね。
疑問に思ったこと
収監中の更生プログラムについて、もう少し知りたかったですね。
日本の刑務所でどういう更生プログラムが実施されているのか、そしてそのプログラムがどのくらい有効なのか。
ほしにゃーはよく海外の犯罪捜査系ドラマを見るのですが、いろんなセラピーが試みられているようです。
勿論犯罪は駄目です。しかし刑務所に収監されるだけでなく必要な癒しや教育が施されるのは、釈放後その人が出ていく社会全体の益にもなると思うのです。