2022年のNHK大河ドラマは、三谷幸喜原作の『鎌倉殿の13人』ですね!
鎌倉殿=源頼朝(みなもとのよりとも)ということで、この機会に源頼朝の書籍をご紹介します。
ちなみに、13人=頼朝の死後政権を担った家来たちです。
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『源頼朝』の基本情報
著者 | 吉川英治(よしかわえいじ) |
初出 | 1940~1941年/朝日新聞社より全2巻 |
ジャンル | 歴史小説 |
ページ数 | 374頁(紙の書籍1巻)384頁(紙の書籍2巻) |
著者:吉川英治について
- 明治25年生まれ、昭和37年没の小説家
- 代表作に『宮本武蔵』『新・平家物語』などがあり「国民文学作家」と呼ばれる
- 『三国志』は日本においての三国志人気の基となっている
『源頼朝』のあらすじ
平治の乱から始まる
頼朝13歳。平治元年(1159年)の平治の乱で敗れ、都を追われた父・源義朝(みなもとのよしとも)と共に落ち延びるシーンから始まります。
頼朝を「佐(すけ)どの」と呼ぶのは、右兵衛佐(うひょうえのすけ)という官職名によります。
常磐御前(ときわごぜん)と3人の息子
常磐御前は、頼朝の父・義朝の側室です。
常磐御前と3人の息子(今若・乙若・牛若)の逃亡劇・捕らえられて都へ戻される顛末が語られます。
牛若は後の源義経(みなもとのよしつね)のことです
平清盛・平家
平清盛(たいらのきよもり)の人物像や平家の面々が登場、頼朝は死罪を免れて伊豆国(いずのくに)へ流されます。
頼朝と義経・鎌倉幕府の成立へ
伊豆国へ流された頼朝が兵を挙げ平家に反旗を翻すと共に、腹違いの弟義経が鞍馬山から脱出し奥州の藤原氏のもとにかくまわれたのち、頼朝に合流していきます。
タイトルは『源頼朝』ですが義経の動向にもかなり紙面を割いています(従兄弟の木曽義仲も少し出てきます)。
『源頼朝』は同じ著者による『新・平家物語』とも重なる部分が多く、頼朝パートの描写は『新・平家物語』が充実している感もあります。
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ほしにゃー’s レビュー
判官贔屓(ほうがんびいき)という言葉がありますよね。
母は違うけれど兄弟の頼朝と義経が対立し、義経が非業の死を遂げたことから「義経、頼朝にいじめられてかわいそう」という気持ちを言います。(転じて弱者への同情的な気持ちのことも判官贔屓というようになりました)
史実を見ると義経に非があったようにも思えるし、実際の兄弟がどうだったのかはわかりませんが、これまでのNHK大河では「判官贔屓」的なストーリーが多かった。
今回ご紹介した『源頼朝』の作者吉川英治も、感情的な描写はありませんが「判官贔屓」寄りです。
「判官」は義経の官職からきた呼び名です。
NHK大河『鎌倉殿の13人』では頼朝・義経兄弟がどのように描かれるのか、楽しみですね。
なお吉川英治著『源頼朝』は著作権が切れているので青空文庫で無料で読めます。