新撰組といえばこの作品!『燃えよ剣』/司馬遼太郎

燃えよ剣

新撰組(しんせんぐみ)ファンの方もそうでない方もこんにちは/こんばんは!
岡田准一主演の映画『燃えよ剣』が公開中ということで、原作である司馬遼太郎の『燃えよ剣』をご紹介します。

ほしにゃー

新撰組といえばこの作品!と言っても過言ではない金字塔です。

元々刊行されている上下巻に別れた『燃えよ剣』もありますが、ご紹介しているもの↓は1冊にまとめられたものです。
ほしにゃーも上下巻の『燃えよ剣』(紙の本)を持っていましたが、さすがにボロボロになってしまったのでネット書籍で買い換えました……

紙の書籍派の方はこちら↓をどうぞ。

目次

『燃えよ剣』の基本情報

著者司馬遼太郎(しばりょうたろう)
初出1964年(昭和39年)
総ページ数926頁(kindle版)
ジャンル歴史小説
司馬遼太郎について

・1923(大正12)年生まれ、1996(平成8)年没の小説家。
・『梟(ふくろう)の城』で直木賞受賞。
・代表作『竜馬がゆく』『功名が辻』『坂の上の雲』『花神』などがあり、著書の多くはロングセラーとして長く愛されると共に多く映像化されている。

ほしにゃー

『燃えよ剣』も何度も映画化・テレビドラマ化・舞台化されています。

『燃えよ剣』の概要

『燃えよ剣』の主人公、土方歳三

『燃えよ剣』の主人公は、新撰組副長の土方歳三(ひじかたとしぞう)です。
土方歳三は生前、箱館で撮った写真が残されていて、パブリックドメイン(著作権フリー)になっていますので載せておきますね。

Tamoto Kenzō – Kantei , Hakodate City Central Library (函館市中央図書館)., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=99250717による
ほしにゃー

土方歳三は34歳で戦死していますが、この写真は33歳の時のものです。

新撰組について知識ゼロの娘が見ても「俳優さん?」と言わしめるカッコよさ。ちょっと萌え袖になっているのは天の配剤か←
さぞかしモテたんでしょうなあ……優しそうに見えますが新撰組時代、京都では鬼の副長として恐れられていたそうです。

土方歳三基礎知識
・1835年生まれ、1869(明治2)年没。
・現在の東京都日野市に生まれ、実家が作っている「石田散薬」という薬の行商をしながら剣術の腕を磨く。
・流派は天然理心流
・徳川家茂の警護募集に応じて京都へ、後に近藤勇を局長とする新撰組の副長となり京都の治安維持に努める。
・徳川慶喜による大政奉還(政権を徳川幕府から天皇へ)の後起こった鳥羽伏見の戦いに参戦、旧幕府軍と共に徐々に北上し箱館戦争(五稜郭の戦い)にて戦死。

新撰組(新選組)とは

新撰組とは、幕末に存在した京都治安維持のための集団です。
長く続いた徳川幕府が諸外国の脅威にさらされ、どのように国を守っていくか・発展させていくかで意見が分かれます。

ほしにゃー

時代の流れと共に詳細は変わっていきますが、倒幕派佐幕派が大きな分け方です。

倒幕派

幕府を倒して、新しい枠組みで日本を再構成しようとする派閥。
長州藩(山口県)や土佐藩(高知県)、薩摩藩(鹿児島)などが先鋒。

佐幕派(さばくは)

倒幕派に対して、徳川幕府を助けようとする派閥。
会津藩(福島県西部・新潟県と栃木県の一部)など。

新撰組は佐幕派
身分を問わない隊員編成で正規の軍隊ではありませんでしたが、「会津藩預かり」として京都を見回り、倒幕派の志士たちを粛清しました。

『燃えよ剣』のあらすじ

『燃えよ剣』は主人公の土方歳三が生まれ故郷の多摩にいた頃に始まり、箱館戦争までを描いた作品です。
天然理心流4代目の近藤勇が営む道場、試衛館の仲間である沖田総司、山南敬助、斎藤一、原田左之助、藤堂平助、永倉新八らと共に京都へ上り、動乱の幕末期をいかに生き、いかに戦ったが記されています。

新撰組は佐幕派ですので当然幕府側的な視点で書かれています。
と同時に「土方歳三」という一人の男が、どのような美学をもって己の道を走り抜けたか、非常に魅力的に表現されていて物語に没入しやすいです。

ほしにゃー

史実だけでなく、司馬遼太郎の創作部分もあります(特に人間関係)が、既に史実として捉えられている感はありますね。

ほしにゃー’s レビュー

ほしにゃー’sレビュー

300年間弱、ほぼ閉じられた世界で生きていた日本。
列強に立ち向かうため、変わらなくてはいけない時節を迎えていました。
そのターニングポイントにおいて、新撰組は「時代の流れに逆らう人斬り集団」とも言えるでしょう。

しかしそれは現代日本人の視点であって、当時の人々にしてみれば何が正義なのか、何が日本のために一番良いのかを模索している混乱期でした。
幕府側についた新選組、土方歳三が自分の節義を貫いていく強さ、美しさと共に、時代から取り残されていく虚しさも丁寧に描写されていて涙を誘います。

日本中がどんどん倒幕派に傾いていく様子は、東京〇ベンジャーズ風に言うと「日和やがって……」と歯噛みをしつつ、しかし新しい時代にとってはなくてならぬ過程だったのだと納得もしつつ。

不器用に生きた、クラシックな男の美学にあなたも触れてみませんか?

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