子育て本はいろいろ出版されていますが、『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』はお母さん(もちろんお父さんも)の心に寄り添った視点で書かれているのでおすすめです。
「3歳~12歳の子ども対象」とありますが、妊娠中や13歳以上のお子さんをお持ちの方にも読んでいただきたい一冊です。
『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』の基本情報
島村華子はオックスフォード大学児童発達学博士(PhD in Education)・現在はカナダの大学で幼児教育の教員を養成。
『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』は2020年ディスカヴァー・トゥエンティワンより出版/193ページ(媒体によって変動します)
・正式なタイトルは『モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳 〜 12歳 の子ども対象』
・研究や論文・エビデンスに基づいた、読者にわかりやすい教育法としてテレビ・YouTubeなどでも取り上げられた。
博士が書いた教育書とか難しそう……とお思いの方、決して小難しい机上の空論を押し付ける本ではないのでご安心を。
『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』の概要
日本人は年齢問わず、諸外国に比べると「自己肯定感が低い」ことはご存知かと思います。
自己肯定感とは
自分の存在には価値がある、ありのままの自分が好きといった、自分を受容する感覚のこと。
本書では健全な自己肯定感を持つこどもに育てるために、毎日の生活の中での「ほめ方・叱り方」が大変重要であると位置づけています。
そして「ほめる・叱る」親が
・自分の子をどういう風にイメージするべきなのか
・本当に子どものためになる「ほめ方・叱り方」とはなにか
を、具体例を挙げながら紐解いていきます。
モンテッソーリ教育/レッジョ・エミリア教育とは
どちらもこどもの内に秘めた力に期待し、こどもの発達段階に合わせて適切なアプローチをすることが大切とする教育法。個を生かし自主性・可能性を伸ばしていくために、様々なメソッドが準備されている。
- 子供をほめる・叱る時に条件をつけることのデメリット
- 子どもは自分の意思を持つ一人の人間であるという見方を持つことの大切さ
- 子どもをトータルで見る無条件子育ての定義と原則について
- 子どもの正しい自己肯定感をはぐくみ、自主性を持たせるほめ方について
- 結果ではなく、そこに至るまでのプロセスや努力に目を向ける叱り方について
- 子どもの話をどのような姿勢で聞くのか……アクティブ・リスニング(傾聴)のやり方
- 「おわりに」を最初に読んでもいいかも知れない。
巻末にある「おわりに」ですが、育児と向き合ううちに体力的・精神的に疲れたお母さんたちは最初に目を通していただいてもいいと思います。
親自身が幸せであることが大切
『自分でできる子に育つほめ方叱り方』より
著書内で子供というものの捉え方、子供を伸ばすほめ方・叱り方・傾聴の仕方などタメになるメソッドを学ぶことができます。
しかしガチガチの「親とはこうあるべき」「こういう親はダメ」論ではなく、「こうできたらいいよね」「でも無理せずにね」「まずは親自身がハッピーであることが一番大切」という応援メッセージのような印象を受けます。
ポテサラくらい家で作れとかいう、心無いことを言う人にも読んでほしい……
ほしにゃー’ レビュー
子どもは一人の独立した存在であり、親の勝手な期待や都合や評価を押し付けるべきではない。
というのはわかってはいるものの、特にこどもが幼い時って人目を気にしがちじゃないですか?
お買い物に出かければ、秒でいなくなるお子さん・スーパー内運動会を開催しちゃうお子さん・これ買ってくれなきゃ一歩も動かないと暴れるor地蔵になるお子さんetc……
一人で行けば30分で終わる食材の買い出しが、気がつけば残存ライフに赤信号が灯っている事態へと。
いい加減にしなさーい!と怒鳴りたくもなりますよね……
来る日も来る日もヘットヘトだけど、わが子への愛情があるからサーバイブできる、というのが乳幼児をお持ちの親御さんたちの大多数ではないでしょうか。
やっと小学校に上がり、少し手が離れたと思ったら今度は勉強や子供同士の人間関係(あとPTA!)の問題に戸惑われる方もいらっしゃるでしょう。そして思春期という大きな波も控えています。
『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』はそんな大変な毎日の中でも、すぐ実践できる心の持ち方や声掛けの実際を学べる良書だと思います。
いつかは親の元から巣立っていく子どもたちに、できる限り強い力と心を搭載してあげたい。そのための一助になればと願います。