たくさんの解説書が出版されている『孫子』ですが、やっぱり原文を読みたい!でも原文のままじゃ読めない!
という迷えるあなたと私にピッタリ。
原文・読み下し文・現代語訳がセットで読める岩波文庫の『孫子』をご紹介します。
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『孫子』の基本情報
著者 | 孫武(と言われている) |
翻訳者 | 金谷治 |
ページ数 | 181頁(kindle) |
ジャンル | 兵書 |
『孫子』を書いたと言われる孫武の生涯はドラマ化されています。
孫武については歴史書への記載が少なくどういう人物なのかはっきりしませんが、どのような背景で『孫子』が書かれたのか、時代背景を知るのに良い映像作品です。
↑↓タイトルが紛らわしいですが、この2作品は別物です。
孫子兵法は24歳の朱亜文(チュウ・ヤーウェン)が主演。
大伝の方は『さらば、わが愛 覇王別姫』に出演している張豊毅(チャン・フォンイー)が54歳の時に主演。
『孫子』とは
紀元前5世紀半ば~紀元前4世紀半ば頃に成立したとされる兵法書。
作者については、中国の春秋時代の将軍で兵法家、孫武(そんぶ)とする説が有力です。
13編から成り、戦略・戦術・情報戦などについて説いています。
基本的には「戦わずに勝つこと」が上策、本当に戦うべきか熟慮すべきという姿勢。
岩波文庫新訂『孫子』は1972年に出土した竹簡資料も参照しています。
新訂『孫子』のメリット
ビジネス・人生訓としても役立つ
兵法書ではありますが、一つの集団が一致団結し他の集団と戦うという点ではビジネスと同じ部分があります。
ただ目先の戦いに勝つことのみを目的とせず、いかに周囲と摩擦を起こさずかつ自分の利も守るかという思想が根底にあるので、日常生活にも反映することができます。
読み手のレベルに対応している
新訂『孫子』は4つのステップで進んでいきます。
漢文の原文
原文を日本語風に読んだ読み下し文
原文の中で難しい語句に対しての説明文
現代の私たちが理解しやすい訳
原文を味わいながら、読み手のレベルに応じて楽しむことができます。
重要語句索引がついている
本文の最後に重要語句索引がついていて「あれなんだっけ?」と思った時に有用です。
読み下し文と単語で調べることができます。
附録つき
『史記』巻65の孫子伝が附録として巻末についています。
ほしにゃー’s レビュー
中国の史劇が好きなのでよくドラマを見るのですが、『孫子』の兵法よなーこれ!と思うシーンが多数。
三国志演義で蜀漢が魏を倒そうと遠征(北伐)しますけども、孔明も兵法はわかっていた(遠征は不利だし国を衰えさせえる)んだろうけど劉備の悲願を叶えるため、あえて……!と思うと目から液体が出ますよね。丞相ぉおおお!(雄叫び)
戦いのためには主君をあえて無視する時も必要、などという辺りは現場の人間と管理職の意識の違いも思い浮かべたり。
紀元前に書かれたというのに令和の時代でも学ぶことの多い『孫子』。
古代中国って面白いしタメになりますよね(^^