マクドナルドやP&G、コダックといった超大手企業を顧客に持つ「リサーチ・リソーセス」創設者デイル・ドーテンの著書『仕事は楽しいかね?』をご紹介します。
自己啓発本は山ほど読んだのに現状が変わらない、やりたいことが見つからない、何とかしてマンネリから抜け出したいというあなたにおすすめの一冊です。
『仕事は楽しいかね?』の基本情報
デイル・ドーテン(Dale Dauten)は1950年生まれ、アリゾナ州立大学大学院・スタンフォード大学大学院卒業。
・Lumina Corporation社長・TheInnovators’Lab創設者。
・アメリカでも著名な経済コラムニスト。
『仕事は楽しいかね?』は2001年きこ書房より出版/181ページ(媒体によって変動します)
・原題は”THE MAX STRATEGY”(マックスの戦略)。
・翻訳者は野津智子(のづともこ)。自己啓発書やビジネス書の翻訳を多数手がけている。
『仕事は楽しいかね?』は2巻と『最終講義』、そしてマンガ版が続編として出版されています。
『仕事は楽しいかね?』の概要
『仕事は楽しいかね?』は、人生にも仕事にも退屈し不安を覚える35歳の「私」が、成功した起業家マックス・エルモアから仕事の極意を学ぶ物語形式の著作です。
「私」は以前友人と組んで、新しい会社を起業した経験があります。当初は上手くいったかに見えたのですが、結局ライバル会社との競争に負けて現在は会社勤めをしています。
『仕事は楽しいかね?』まとめ
・「目標の設定」……正しい目標や計画を立て方について。目標や計画を持つこと自体に自己満足していませんか?
・広い視野を持ち遊び感覚で試しつづけること、偶然を逃がさない注意力・既存のものをミックス
・模倣ではなく革新……他者から抜きんでる努力ではなく、新しい存在へ
・ホーソーン効果……革新には、社員の当事者意識が大切
・あらゆることを見つめなおす
・失敗を恐れず常に前へ進み続ける……試すことに失敗はない
ほしにゃー’s レビュー
まずは日本語のタイトル『仕事は楽しいかね?』が秀逸ですよね。
原題の『マックスの戦略』よりも、多くの社会人の心に深く刺さりそうなタイトル。
ここだけの話、世に無数に存在する自己啓発本とか成功者に倣え的な本の多くは、読んで成功者の成功に酔いしれて終わりだというイメージがありました。
しかしこの『仕事は楽しいかね?』はそういう著作とは一線を画しているように感じます。
今いる会社はつまらない、だから辞めて起業したいorフリーランスになりたい。
会社勤めをしている人ならば一度は考えるだろう仕事への不満やマンネリ、自分はもっと成功できるのではないかという希望。
辞める前にこの本を読んでほしいです……
起業するなということではなく、まずは現状把握・改善・創造といったところから始めてはいかがでしょうか。
目の前に転がっているチャンスを見逃してはいないでしょうか?
他社の追随を許さないほどのオリジナリティは、今いる場所では発揮できないのでしょうか?
『仕事は楽しいかね?』では有名な成功者の道を辿るのではなく、あなた自身や今の状態を深く掘り下げ、革新し続けていく方法を教えてくれます。
A rolling stone has no moss.(転がる石には苔が生えない)ということわざがありますが、前へ前へ、常に新しいものを取り入れ自分を変えていくことが、あなたとビジネスをオリジナリティに富んだものにしてくれるのです。
オリジナリティといえば、新スタートレックという連続ドラマに、データというアンドロイドが登場します。
アンドロイドなのであらかじめプログラムされたデータをもとに生活するわけですが、ある回でバイオリンを奏でるシーンがありました。
だいぶ前に見たので記憶があいまいですが……
データの演奏方法は著名なバイオリニスト2人か3人の特徴をミックスしたもので、演奏後褒められたデータは「私のオリジナルではない」と謙遜します。
けれど「そのバイオリニストたちのチョイスはあなたのオリジナルだし、組み合わせ方もオリジナルだ」と言い返されるのです。
『仕事は楽しいかね?』第13章のタイトルは「新しいアイデアというのは、新しい場所に置かれた古いアイデアなんだ」です。
新しいアイデアとは、いまだ世界に存在しなかった全くのオリジナルでなければならないという思い込みがないでしょうか。
コカ・コーラもリーバイスのジーンズも、既存のものに新たな価値を見出した結果でした。
名言が多く、ビジネスパーソンだけでなくすべての人にとって新しい視点を授けてくれる『仕事は楽しいかね?』をあなたも読んでみませんか。