隋唐演義~集いし46人の英雄と滅びゆく帝国~

隋唐演義

今回ご紹介するのは、中国の隋建国~唐の玄宗皇帝までを描いた歴史小説を基にしたドラマです。
ドラマ『隋唐演義~集いし46人の英雄と滅びゆく帝国~』(以下、ドラマ『隋唐演義』)はアマプラで視聴できます(2021年10月現在)

アマプラの他、FODプレミアム 時代劇アジアドラマなどでも視聴できます。

目次

ドラマ『隋唐演義』(ずいとうえんぎ)の基本情報

基本情報

・2013年の中国史劇ドラマ/全62話
・製作費30億以上
・清の時代に書かれた『隋唐演義』と『説唐全伝』を基にアレンジしたもの
・581年の隋建国以降~618年の唐建国付近までをドラマ化

ほしにゃー

『三国志演義』に比べると日本ではマイナーですが、『水滸伝』的な面白さがあります。

演義とは
演義とは、文語ではなく口語(話し言葉)で書かれた歴史小説を指します。
事実のみを書き綴ったものではなく、わかりやすさや面白さを増すために作者の創作が加わっているのが特徴です。
主な演義に『三国志演義』『封神演義(ほうしんえんぎ)』などがあり、『中華人民共和国演義』など近代の作品もあります。

ドラマ『隋唐演義』の概要

ドラマ『隋唐演義』のあらすじ

煬帝(煬広)サイド

隋の高祖、楊堅(ようけん)の治世から始まります。

高祖(こうそ)とは
現代日本で高祖といえば「自分の祖父母の祖父母」を指します。
中国史においての高祖は、漢の劉邦(りゅうほう)のように王朝の始祖(王朝を始めた人)を指します。

楊堅は皇太子を長男の楊勇(ようゆう)と決めていましたが、次男の楊広(ようこう)は虎視眈々と皇帝の座を狙っていました。
煬帝(煬広)サイドでは、楊広の帝位簒奪→2代皇帝煬帝(ようだい)となってからの治世の様子と、宮廷内の権力闘争が描かれます。

煬帝とは
楊堅の次男で隋の第2代皇帝。中国史上最悪の暴君と言われるが、隋を倒した唐側のイメージ戦略という説もある。
「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す」で有名な遣隋使の国書を受け取ったのはこの煬帝。

反隋サイド

秦瓊(しんけい)はドラマ『隋唐演義』のほぼ主人公。
秦瓊を中心に、各地の英雄たちが集まり反隋の英雄たちのリーダー的存在となっていきます。

隋から唐にかけて各勢力の戦いが続きますが、基本的には秦瓊を中心にストーリーが進みます。

秦瓊とは
秦叔宝(しんしゅくほう)
初めは隋の武将でしたが、後に唐に帰順し李世民(りせいみん/唐の第2代皇帝)に厚遇されました。

ドラマと原作の違い

ドラマ『隋唐演義』には、原作にない架空の人物が多数登場します。
また大筋で原作に沿ってはいるのですが、キャラ設定やストーリー展開はかなりオリジナル色が強い印象です。

ほしにゃー

ほぼ主人公の秦瓊も、原作より知的で洗練されたイメージになっています。

ドラマの盛り上がり要素として必要なのかもしれませんが、特に女性陣の独自脚色が多いですね。

日本における『隋唐演義』の翻訳書

隋唐演義をリライトした翻訳書として、安能勉(あのうつとむ)版田中芳樹(たなかよしき)版があります。
田中芳樹著『隋唐演義』は2021年10月現在、残念ながら絶版中です。安能勉版はkindleで読めます。

安能勉版が先に出版され、その後田中芳樹版が出版されています。
個人的な感想としては、田中芳樹版の方が原作に忠実な感じで品があります。

ほしにゃー

いつものウィットの効いた田中芳樹節はないのですが、読みやすいです。

中古品はどちらもまだ出回っているようですし、図書館にもあると思いますので読み比べてみるのも面白いでしょう。

ほしにゃー’s レビュー

ほしにゃー’sレビュー

宇文成都が架空キャラだった!!!

すいません、ドラマ『隋唐演義』の不憫キャラ、宇文成都が実在の人物じゃないと知って悲しいようなホッとしたような……報われなさ過ぎて、登場するたびに「成都くん(涙)」と呟いてしまうほしにゃーです。

原作とかなり違っているので、歴史を知る材料としてはアレですが隋唐時代の大まかな動きを掴むのには良いと思います。
ドラマとしては笑いあり涙あり戦いありで楽しいのですが、三国志と違ってまとまりに欠けるところがマイナーな原因でしょうか。

煬帝のガチサイコっぷりを楽しむもよし、美人ぞろいの女性陣にうっとりするもよし、いろいろな変わった武器も出てきますし、とてもわかりやすい脚本なので何も考えず楽しめます。
一気に見すぎて、武将笑い(意味もなく頷きながらハハハ!と笑うやつ)がクセになっているほしにゃーがお送りしました!ハハハ!

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